'デスビ一体式IGコイルのリーク'
- 2005/05/18 00:00 JST
元投稿日
2005年05月18日
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日産 プレサージュ 2400 走行17万キロ
4年経過でこの距離なので相当な走り方である。
この車のオーナーはメンテナンスをいつも気にかけられていてオイル交換のスパンもこの間一度も5000キロを超えたことがない。
おかげでエンジンはいつも静で、そしてオイル漏れも皆無である。
ところが、ある日JAFの積車に積まれて入庫してきた。
なんでも走行中急にエンジンが止まってしまい、その後全然かかる気配もないとのこと。
親切なJAFのお兄さんは
「燃料ポンプみたいですよ~」とすばらしいヒントを残していってくれました。
こういうヒントは気にしてはいけないと思いつつついつい、心のどこかに引っかかっていて、トラブルシューティングの邪魔になってしまう。
まずは、X431外部診断機でダイアグノーシスのチェック。
ご覧の通り正常コードの出力。
ついでに、クランク角センサーの出力をデーターストリームしてみるが、出力は正常。
アクティブテストでフューエルポンプリレーを操作してみるが、リレーの作動音がカチカチと聞こえる。
どうやら、ポンプへの回路は生きている模様。
ここで、簡単にテストできる点火確認をしてみる。
その方法は最近ほとんど出番のなくなったタイミングライトの点灯で、プラグへの点火をチェックしてみることである。
これもとくに問題なく点灯するので、2次系統も生きている。ということは1次系統も問題なし。
「やっぱり燃料ポンプかな?」と思って、確認のため、燃圧測定。
ご覧のように、充分である。
っとここで行き詰まってしまう。
もう一度X431でイグナイターの作動を確認するが異常なし。
燃料、点火、システムが正常なにのかからない。
タイミングチェーンがずれるはずはないと思いつつ、気になる部分は消しこんでいかないといつまでも気になるタイプである。
早速タペットカバーを外して確認してみるが、ずれていない。
もっともチェーンがずれるくらいになれば、チェーンはのびのびになっているはず。
しかし、この車のタペットカバーの中はびっくりするくらいに綺麗である。さすがにオイル交換をきちっとされている! っとへんに納得。
さてさて この辺りでやっとJAFによる呪縛から解放されて、基本から点検をしていくことになる。
燃料、システムは間違いなくOK
であれば、点火系である。
プラグをめくってチェック、ハイテンションコードを目視と、テスターで抵抗の点検。
ここでやっと、プラグコードの先にプラグを付けて、プラグの火を自分の目で点検することに。。
お!? ちょっと弱い、点火はしているもののどうも弱い感じである。
点火はしているので、1次系統は大丈夫だろう。
2次系統のコードとデスキャップ、ローターの点検を念入りにするが、異常なし。
あとは、コイルかな?
このタイプのコイルはデストリビューターの中に入っている。
キャップを外して、ねじ止めしているローターを外し、カバーを外すとクランク角センサーとコイルが見えてくる。
この写真はその状態であるが、デスビ本体はエンジンから取り外してある。
ここでやっと原因発見!!
左の黒い部分がイグニッションコイル、右の円盤はクランク角センサーのスリットである。
黒いコイルのボディーから横に這っている配線にリークしている跡がはっきりわかる。
ここから、2次側高圧電流が漏れていたのである。
この部品に単品設定はなくデストリビューターAssyの交換となった。
ちなみに、右側円盤スリットのまわりにずらっと開けてある小さい穴が1度信号で、その内側に4箇所開けてあるちょっと大き目の穴が180度信号。
これは、6気筒なら120度信号となり6箇所開いています。
写真奥にひとつだけ幅広の穴があけてあるのがわかるでしょうか?
これがNO1シリンダーの信号です。
この円盤が回転(クランクシャフト2回転で円盤が1回転)すると、発光ダイオードからの光を通したりさえぎったりします。その光のON/OFFをフォトトランジスターでキャッチして増幅しCPUへ送ります。
これはエンジンの重要なセンサーですね。
#勉強したのがかなり昔なので、間違えてたりして(^-^;A'