ワコーズのレックス
- 2016/10/30 16:47 JST
さて、弊社がどうしてカーボンブラスターを導入しようと考えたのでしょうか。
それはワコーズのレックスのビフォア、アフターをこの目で見てからでした。
BMW MINI R56 クーパーS 直噴ターボエンジン N14
この車が走行中にチェックエンジンランプ(警告灯)が点灯するということで入庫しました。
症状としては60~100キロ/hくらいでの一定速での走行中に警告灯が点灯する。
しかししばらくすると消える。
というものです。
KTSでのエンジンフォルト診断結果は、ノックコントロール系統の異常という結果でした。
つまり一定速で走行しているときにシリンダー内部でノッキング(異常燃焼)が起こっているのを
ノックセンサーが拾い警告灯を点灯させノッキングを止めた という制御が行われたようです。
直噴エンジンの場合一定速で走行するときに燃費をよくするため、シリンダー内に流れ込む気流を調整し(主にポートやピストンの形状)
少ない燃料でも異常燃焼が発生しないようにする「成層燃焼」というモードに切り替わります。
これはインテークポートからの気流の流れがとても重要で、各メーカーが工夫を凝らして気流を作っています。
ところがこの直噴、厄介なことに、構造上インテークポートやバルブ裏に大量のカーボンが堆積して、そのカーボンが正常な気流を作る事を妨害してしまいます。
これにより、ガソリンが希薄な成層燃焼時に必要な気流ができなくなり、異常燃焼を引き起こしてしまうわけです。
たまたま、エンジン警告灯が点灯するほどに悪化していたのですが、気付かない間に燃費の悪化やパワー不足が積みあがっていたはずです。
やっとレックスの話です。
これを改善する有力な方法としてワコーズのレックスがあります。
これは、インテークマニホールドから洗浄剤を吸わせながらエンジンをかけておく、という方法でポート回り、バルブ周りにたまったカーボンを取り除くというものです。
当社でも以前から行っておりまして、知名度もあり好評でした。
でも実は今回、このMINIにレックスを約1時間施工してみてその結果のビフォア、アフターのスコープ写真を撮り、驚きましたのでご紹介したいと思います。
まずこれがビフォア写真、マニホールドを完全に外しての作業ではなかったのでカメラが入らずスコープでの写真になりまして、少しうつりが悪いです。
かなりのカーボンですね、実は走行距離はたったの23000キロです。
中古車保証の残っている車だったのでディーラーに相談を持ちかけたんですが、「燃料添加剤を使い続けてください、それでよくなる車もあるので・・・」と、なんとも消極的な対応策。。
中古車保証の会社とも相談しながら燃料添加剤の投入とワコーズのレックスを施工してみることにしました。
これがレックスを1時間行ったアフターの写真です。
ほとんど変わりないですね、ちょっとカーボンが湿気た感じがしてますが、この後、取れていく方向に進んで行くんでしょうか?
もう少し走った後に見てみたいですね。
長時間レックスを行えば、あるいは走行中も少量ずつ行えば綺麗になってくるんでしょうかね?
しかし、この大量のカーボンが一気に剥がれる時のデメリットも簡単に想像できますよね、バルブシートに挟まってしまい圧縮不良、触媒に詰まってしまう、などなど。
ということで弊社ではウォルナット・ブラストで行う「カーボンブラスター」を導入しました。
もう間もなくバキュームアダプターが到着します。現在空輸中でアラスカのアンカレッジを出ました (笑)
BMWとミニの直噴エンジンに対応したアダプターですが、ワーゲン、アウディーなどの同じような問題を抱えるエンジンにも、今後アダプターを作るか、購入するかで順次対応していきたいと思います。