'プリメーラ SR18 エンスト 修理'
- 2005/05/11 00:00 JST
元投稿日
2005年05月11日
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以下のLOGは作業の備忘録です。
参考にしていただいても構いませんが、個人の責任においてご利用ください。
また、ご質問などに回答できないことがあります。
■車両データ
平成7年11月 プリメーラカミノ E-P11 SR18DE 走行36000
■症状
エンストする。
かなり頻繁にすることもあれば、しばらくしない時もある。
信号等で車両を停止させるとそのままエンジンが止まっている。
■確認
試運転にて症状確認
アイドリングも若干不安定で、エンストまで行かなくても空ぶかし後タコメータ読みで500回転を下回るくらいまで一旦アイドリングが落ち込む。
この後通常のアイドルまで持ち直すが、エンストする時はそのままストンと止まってしまう。
■所感
この手の日産のAACバルブは詰まり等の、トラブルがよく発生する。
まずはAACバルブの確認と洗浄が必要であるが、今回の依頼では費用はかかっても完全に修理して欲しいということであったため。
一番疑わしいAACバルブの交換を視野に入れて作業に当たることにする。
構成部品の取付け位置
■トラブルシュート
& ランチテックのX431にて自己診断を行う。
# 0055の正常コードを出力
手動による自己診断機能のコード一覧
& X431のデータストリームで一通りの数値を確認、特にO2センサ、スロットルセンサなどを注視する
# 若干リッチ傾向にあるが特に異常なし
& 次にX431のアクティブテスト機能を使い、AACバルブの作動を停止させる。
この状態でスロットルアジャストスクリューにてアイドリングを規定より若干低めの600回転に調節
# 症状に変化なし。
& 点火系統プラグ、ハイテンションコード、デスキャップ、ローターなど目視点検
# 特に異常なし
& AACバルブを脱着点検
# ひどい汚れは確認できないものの、今回は交換とする。
& AACバルブ交換
# エンストはなくなったが、アイドリングの落ち込みは残る。
& 数日試運転をした後、雨の日に症状再発、エンスト発生。
& 点火2次系統を疑い再度目視にてリークの点検(この時点で症状発生せず正常になっていた)
# 異常なし
& エンジン回転中に2次系統に霧吹きで水をかけ、リークの点検
# 特に症状を再発させることなく、正常に回転
& X431にてコンピューターの端子電圧を基準値と比較
# 各データを比較すると、エアフローメーターの2000回転時の電圧に、若干のずれを認める。測定値1.38v 基準値1.4~1.5
CPUの端子配列と、基準端子電圧・単体抵抗
& エアフロメーターの特性ずれの可能性があるため、お客さんに交換を打診。
# 部品単体で32900円もするが、中古ではなく新品での交換を了承してもらう。
& その後かなりの距離の試運転を数日続ける
# エンストは再発せず、アイドリングの落ち込みも全くみられず。きわめて好調
& 新品のエアフロメーター数値確認
# エアフロメーターの出力は交換前とほとんど変わらなかった。これは、何を意味するのか? 回転数を固定している時の出力は正常であるが、アクセル・オンオフ時の反応が鈍いのであろうか。
# AACバルブ、FICDをカットしてた状態でアクセルオフ時のセンサー出力をオシロスコープで記録し交換前後で比較すれば何かわかったかもしれない。
車は既に納車ずみなので現在は計測不可能である。
注:センサー、アクチュエーターなどのパーツを交換する時はバッテリーを外す、ヒューズを抜くなどで学習制御をリセットする必要があります。
このエンジンのフェイルセーフとバックアップ