'プリウス講習会に行ってきました'
- 2005/11/20 00:00 JST
もちろんハイブリッドエンジンの講習会です。
以前にも一度参加したことがあったのですが、その時のは簡単なもので、ハイブリッドの概要だけを勉強したものでした。
今回の講習は結構突っ込んでおこなわれまして、あらためてトヨタのハイブリッドのおもしろさ、すごさを感じてきました。
プリウスなどのハイブリッドカーでは200Vを超える高電圧を扱うため、講習内容は低電圧取扱者(電気の世界では低電圧です)の講習も含まれていました。
低電圧の講習ではリトル・アンちゃん?っていう人形にマウストゥーマウスでの人工呼吸や心臓マッサージなど、車の講習会とは思えない内容の勉強までしてきました。
さて
本題のハイブリッドの仕組みとは、皆さんも簡単にはご存知でしょう、エンジンとモーターで走行する車ですよね。
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この表現は実際にはちょっと違っていまして、モーターだけでも、エンジンとモーターでも走る車と言うほうが近いです。
停止している状態から普通に走り始めると、エンジンは停止状態のままモーターで走り始めます、このモーターだけでの走行はバッテリーが弱くなるか、アクセルを踏み込こむまで続きます。ですんで静かですよ~
アクセルと言ってもモーターの調節もするわけですから、アクセルケーブルなんてもちろんありませんよ。
プリウスのモーターは発電機も兼ねています。
で、このモーター、加速する時には走行用するためのモーターとして、ブレーキを踏むと(エンジンブレーキも含む)発電機として機能し、バッテリー(200V以上もあるニッケル水素バッテリー)に充電します。
これは減速する時のエネルギーを電気に変えて充電しておき、発進する時にはこの蓄えていたエネルギーをつかって走るわけです。
これを回生ブレーキといって、昔から電車なんかにつかわれていますし、大型トラックには「リターダー」という名前でエンジンブレーキの補助なんかにもつかわれています。
面白いことに、このモーター兼発電機は2つ付いていまして、片方のモーターで発電しながらもう片方のモーターに電源を供給したりしています。
ブレーキの話ですが、これが又すごいです。
回生ブレーキのことです。
これがかなり発電するらしいです、そして、このブレーキだけで相当車が止まるそうです。
いままでの油圧式ブレーキは、補助的なもの(言いすぎかな)といえるかも・・です。
ブレーキの踏み加減で発電量を変化させて車を不自然なく停止させてくれます。
もちろん従来の油圧式ブレーキも付いていはいるのですが、これの油圧制御も発電量と合わせてCPUが行なっています。
さて、メカニックのはしくれとしてもっとも感心したこと、それはプリウスのミッションでした。
昔からあるオートマチック(ステップ式といいます)には遊星歯車がついています、3速オートマチックで最低2つ、4速ミッションで3つの遊星歯車が必要です。
そのほかにも油圧で制御するため、制御用のバルブ、油圧ポンプ、クラッチ多数、湯たんぽのようなコンバーターなどなど、多くの部品から構成されていて、ミッションそのものの大きさもかなりのサイズになります。
CVT、これは二つのプーリーとそれをつなぐスチールのベルトで動いています。
しかし、CVTもコンバーターも含めて油圧で動いているためにステップ式ほど大きくはないものの、そこそこのサイズになります。
ところがプリウスときたら。。。
遊星歯車1組だけで構成されています。
これが遊星歯車ですこちらからお借りしました。
油圧装置もへったくれもありません。
もちろかさばるコンバーターなど不必要。
バックギア?いえいえ、ありません、モーターを逆回転させます 爆笑
ですからすごく小さいサイズです。モーターとモーターの間に挟まれてて、そのサイズわずか10センチ程度。
すごすぎますよね。。
どうしてこんなことが可能なのか。
これは遊星歯車の構造と特徴を知らないとちょっと難しいのですが、簡単に言うと
発電容量を変化させることで、遊星歯車の変速比を変化させています。
停止状態のニュートラル、この状態はギア操作をしているのではなく、発電を停止させることで歯車を空転させて作っています。
低速からの発進時、これは発電量を徐々に増やしていくことで、変速比を徐々に増やしています。
最大速時、この時、発電量も最大になっています。
遊星歯車のおかげでこんなことができているのですが、すごいですね~
ちなみに、エンジンは車速によって回転を上げていくのではなく、おいしいトルクが出るあたりで一定速で回転させているだけだそうです。
CVTに近い感じでしょうか。
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今回の講習は本当に面白かったです。
どうもお世話になり、ありがとうございました m(_ _)m'