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'クランクシールオイル漏れ'

  • 2005/10/08 00:00 JST
'11年式ダイハツ・ハイゼットS200Vです。
走行距離は45000キロほどなので、8年経過している割にはあまり走っていません。
とはいえ、この車のユーザーは毎日のように重たい荷物を積み近場を配達でこの車で回っています。
典型的な短距離繰り返し使用のパターンで、エンジンオイルには相当厳しい環境だといえます。

入庫してきたときはエンジンの下はボトボトになるほどのオイル漏れで、5段階評価するとレベル4のひどいオイル漏れです。

まずは下回りをきれいに洗浄してオイル漏れの原因を突き止めます。

原因はクランクシャフトのオイルシールでした、漏れているのはフロント側です。

これは、クランクプーリーの奥、タイミングベルトのそのまだ置くに位置しています。

早速プーリーを外し、ベルトケースを外してみました。



ベルトとスプロケットが見えます。
その下にオイルが漏れて、流れているのが確認できますね、相当ひどいです。



ベルトとスプロケットを外してみました。
飛び出しているのがクランクシャフトです。
その周りに埋め込まれている黒いリング状のものがオイルシールです。

漏れ出したオイルが飛び散ってこびりついています。




オイル漏れを洗浄して、オイルシールを交換しました。
色が黒から茶色に変わっています。材質の変更でもあったのでしょうか。

エンジンオイルにはいろいろな添加剤が含まれています。
通常オイルは金属の潤滑という基本性能よりも添加剤が先に劣化します。
とりわけ、オイルシールなどを保護する添加剤が悪くなるように思います(経験則です)

■ ミニ知識
オイルのシールはゴム等のやわらかい材質でできています。
回転しているシャフトに「リップ」といわれるとがったシールの先端部分が、断面図で言うとほぼ点接触しています。
接触しているこの隙間にはオイルが入り込みシールのリップ部と回転するシャフトを潤滑しています。
シール保護の添加剤が悪くなると本来柔軟な素材であるリップ部が、硬くなりオイル漏れが発生します。
リップ部もある程度は磨耗しているかもしれませんね。

実はこの「ゴム(シール)」 vs 「金属(シャフト)」のたたかいは一方的な金属の勝ちだけではないのです。

時にはリップがシャフトにリング状の溝を作ってしまうこともあります。
これはオイルに混ざった金属磨耗粉がリップとシャフトの隙間に入り込み、リップのゴムに埋め込まれ、この金属粉によって内向きグラインダーのようにシャフトを削ってしまうのです。


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