オイル交換不足によるオイル漏れ
- 2009/01/20 16:35 JST
オイルの管理と水の管理、それにタイヤの空気圧、最近の車はよく出来たもので、この3つさえ守っていれば、そうそうトラブルにはなりません。
ただ、なかなかこれを守ってもらえなくて、トラブルになることがあります。
今回もよくあるエンジンオイルのメンテナンス不良によるトラブル事例です。
エンジンは動かなくなるまで完全に壊れてしまって、はじめて「こわれた~」ではなくって、そうなる前にもいろいろと壊れる症状があります。
特にエンジンオイルの交換不足から来るトラブルでは、エンジンの出力不足、異音、オイル漏れ、燃費悪化など、あまり気にならない症状でも、私たちから見ると完全にトラぶっている症状を持つ車が結構あります。
今回はその中でもオイル漏れで修理した車をご紹介します。
症状はガレージのエンジン部分が真っ黒に汚れているっていう症状で、エンジンした部分はかなりのオイルでべとべとです。
おまけにエンジンの上のほうからもオイル漏れしてしまって、下にあるマフラーにオイルがかかり、焦げ臭い臭いがして、煙も出ている。。^^;
という恐ろしい状況で入庫しました。
写真はマフラーの根元、マニホールドという部分に漏れて、焼けて固まったオイルです。
高速やら登坂路などで走り続けると出火する可能性もありますよね。
これは、タペットカーバのガスケットゴムが硬化劣化してオイル漏れを起こしたのが原因です。
通常、新しいオイルはゴム系のガスケットをなるべく保護するような成分が入っているんですが、その成分がすっかりなくなり、燃焼ガスのブローバイなどがオイルに入り込み、ゴムを劣化させた為にゴムの硬化が進んだのです。
タペットカバーを外してのガスケット交換になりますが。。。
これはタペットカバーを外したところです。
すごいスラッジですね。
通常、エンジンは燃焼済みガスや、未燃焼ガスがブローバイからエンジンオイルに溶け込むような構造になっていて、ある程度溜まったらオイル交換とともに外部に排出します。
ところが、オイル交換があまりされていないと、オイルに溶け込めなくなった物質がスラッジという塊になり、エンジンの内部にこってりと溜まってしまいます。
こうなると溜まったスラッジがエンジンに悪影響を及ぼします。
たとえば、油路の詰まりです、細いオイル穴にもこれがつまります、人間で言えば血管のコレステロールですね。
ほかにも、はがれたスラッジがオイルフィルターを詰まらせ、こうなると安全上オイルフィルターをスルーしてオイルが回る仕組みなのですが、スラッジが直接油路に回ることになります。
これはエンジンの焼きつきに直結します。
ほかにもはがれたスラッジがクランクシャフトなどのオイルシールの隙間に入り込みオイル漏れを起こします。
ただでさえ、オイルシールの弾性はオイル交換不足でシール不足になっているのに、そこにこのスラッジがはまり込むと、かなりの量のオイル漏れになります。
この車のクランクシャフト、カムシャフトもご覧のようにオイル漏れが、発生していました。
シールを外すとやはりここにもスラッジです。
エンジン中スラッジだらけになっています。
出来るだけ掃除して新しいカムシャフトシールを打ち込みました。
スラッジだらけになってしまったエンジンでは、下手にフラッシング剤などで洗浄してしまうと、剥がれたスラッジが余計に詰まることにもなりかねません。
こういう場合はスラッジを溶かす成分を含んだ添加剤(ワコーズのスーパーフォアビークルなど)を入れてやり、徐々に溶かすことをお薦めします。