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'ブレーキのアスベスト'

  • 2005/07/20 00:00 JST
'ブレーキのライニング(摩擦材)に必要な性能、特に対フェード性、対磨耗性に優れた素材として長年にわたり石綿(アスベスト材)が使われてきました。

日本では製造メーカーの自主規制により15年前ごろからアスベスト材から石綿の含まれないノンアスベスト材へ、ライニング素材の切り替えが行われてきました。 そういえば一時期ブレーキパットなどの箱にも「ノンアス」と誇らしげにかかれていました。
今ではすっかり見なくなりましたね、全てノンアスに切り替わったからでしょうか?
少なくともメーカーから新車に装着されているブレーキは全てノンアスでしょうが、補給部品まで全てノンアスなのでしょうか?
中小のブレーキメーカーとか、最近では外国から安価な補給用ブレーキパットなどが大量に輸入されて入ってきています。
そこまで見ると残念ながら私たち末端には全てノンナスになったのかわからないですね。

(ちなみに当店ではほとんどの場合、日産が補給部品として作っている『ピットワーク』ブランドのブレーキを使用しています)

今問題になっているアスベスト問題、
日本での大手ブレーキメーカーである 曙ブレーキではついにと言うか、やっぱりと言うかアスベスト被害の死亡者が3人でましたね。
被害者はもっと増えるんじゃないでしょうか。

これは私たち整備士にも間違いなく降り注ぐ問題だと思います。
特に潜伏期間を経過した年配の整備しさんたちです。
私の親父もその年代でしょう。

今でこそ、ブレーキの粉塵はブレーキクリーナーという溶剤で洗い流します。
大型車を扱っているところでは水で洗い流すそうです。
もちろんこの粉塵が体に悪いものだと言うことがわかっているからです。

ところがその昔、といってもほんの15年位前までこの粉塵はエアーガンと言われるもので圧縮エアーをふきだし吹き飛ばしていたのです。
私の場合ディーラーでの修行時代も含め5年くらいはエアーで吹き飛ばしていた経験があります。
ところが過去の話ではありません、今でもエアーで吹き飛ばす工場もあるとききます。

これを吹き飛ばすと、工場がほこりだらけになります。
昔、自動車修理工場って薄汚れていて、ほこりっぽい、こんなイメージがなかったですか?
これはブレーキの粉塵が積もっていて薄汚れしていたのです。

今では考えられないですよね、アスベストをエアーで吹き飛ばしていたのです。
作業するものも、もちろんアスベストを除去するようなマスクなどしませんでした、それどころか工場中ほこりだらけになるくらいの粉塵です、吸い込んだのは作業するものだけではすまないでしょう。

工場の周辺住民の方たちにも影響が出ているかもしれません。

今思うと空恐ろしいですね。

海外からの安価な補給ブレーキが入ってきている現状では、今でも継続した問題なのかもしれません。

ブレーキ粉塵は走りながら道路に撒き散らしています。

これをごらんの皆さんはちゃんとしたメーカーのブレーキを使ってくださいね!'